ブランド品が好きな人の心理

心理

ブランド品が好きな人というのは

この世の中にたくさんいます。


「ブランド品が好き」というだけならまだいいのですが、

ブランド品でなくては受け入れられない、

より高いものを買おうとする心理に囚われてしまうと、

借金をしてまで、やりたくない仕事をしてまで

ブランド品を持つことに執着してしまうこともあります。

今回は、なぜブランド品は人を虜にするのか?

ということをテーマにお伝えしていきます。

「拡張自我」という言葉

拡張自我、という心理学の用語があります。

拡張自我とはつまり自分そのものではなく

自分を形成するもの、自分を補填するもの、

といったような意味になります。

車、ネックレス、時計、家から友人、通っている喫茶店に至るまで、

「自分の一部である」とみなす特性が人には備わっています。

これを拡張自我といいます。

もちろん、友人は友人ですし

モノはただのモノでしかありません。

ところが人間というのはそれらを自分の一部だと

考えます。

それはごく自然なことなのですね。

ですので自分が「よりいい感じの自分」になるために、

ブランド品を活用するということは

当然の行為ともいえます。


高級腕時計=ステータス

以前、おぎやはぎの矢作さんが自身のラジオ番組で

「時計なんてただ時間を見るためだけのものなのに、

なんでみんな高い時計を買うのか?」という

リスナーさんからの問いに、

「見栄とステータス」と断言していました。


ちなみに、矢作さんはロレックス・パテックフィリップなど

高級腕時計を多く所有していることでも有名です。

リスナーさんの言うように、「時計はただ、時間を見るためだけ

のもの」です。

矢作さんもラジオ番組内で「高くても安くても時間は一緒、

むしろ機械式のほうが時間がすぐズレたりする」と

言っています。

つまり、「時間を確かめるもの」としての質はデジタルのほうが

高いこともあるわけです。


ですが、そういう事を知りながらも高級腕時計は売れます。

なぜなら、その高級腕時計は「拡張自我」として

「この高級腕時計に見合った、ステータスの高い自分」を

作り上げてくれるからですね。


ちなみに、高級腕時計でなくても

「自分がほしかった色の時計」だとしても

それは拡張自我として十分機能します。

逆にいえば、お金がなくて自分の好みでもない服を着ていても

それは「みすぼらしい自分」をモノに投影する

きっかけにもなるのです。


拡張自我とうまく付き合う

矢作さんのように、高級腕時計を付けることを

「見栄だよ」と言える人は

自らの拡張自我とうまく付き合える、

自分の心理をうまくコントロールして自分を高めていける

人ともいえます。

「時計ってただの時計でしょ?なんで

高いものをつける必要があるの?」

という人も、本当にそう思っているとは限らないのです。

「ステータス」を身に着けようとする心理が

自分にもあるかもしれない、と考えるほうが

より有益でしょう。

もちろん、上述の通りそれは「高級腕時計」である必要は

ないのです。

「自分自身が、いつもよりも強くなったように感じる」とか

「なんかちょっと自分が特別な存在になったような

気がする」とか

そういうアイテムを利用することは何も問題ありませんし、

むしろその人のパフォーマンスを上げてくれるかもしれません。


けれども、それでもなお

「ただの見栄でしょ(笑)」

とその力を小ばかにしたくなるのであれば、

それは「自分は自分の力で上に上がっていかないといけない」

「見栄を張るのはよくない。いつでも等身大の自分で勝負しなくては、

人間弱くなる」

という強迫観念があるとか、

「お金が本当になくて、高級どころかファッションを

選択する機会すらない」とか、

「身近に、ブランド品で固めた嫌いな人間がいる」とか

「ブランド品を見下すことで得られる特別感がある」等々、

その他もろもろの事情があるのかもしれません。


ブランド品に執着する人

身に着けるものが誰もが知る高級品でないと許せない、

よりハイレベルなブランド品を求めてしまう、

全身をブランド品で固める、というような人もいます。


いわゆる「病的に見える」「執念を感じる」人です。

そういう人は、拡張自我をどんどん補填しないといけないほど、

自分に自信がない人ともいえます。


それを理解できている人というのは

ある程度のところでセーブできるのですが、

ここまでのレベルになると、「ここまでのモノを持っている

自分自身が素晴らしい」という考えを持つことが

最優先になっているので、

なかなか「モノはモノであって、自分のモチベーションを

高めるためのもの」とはなりません。


高いブランド品に身を包み、

高級レストランでディナーを楽しむ、

その自分自身しか認められないからです。


そういう人達は、ブランド品の力で価値のある自分になるためには

他の何をも犠牲にします。

ブランド品に際限なくお金をつぎ込んでしまう、とか

会社の金を横領してしまうとか、

そういうタガの外れた行為にまで発展してしまうケースもあります。


それは、ただ「ブランド品が好きだから」というわけではなくて、

「ブランド品を手に入れればいれるほど、

自分自身に価値があると思える、逆にそうでないと精神的に

やっていけない」という切迫した状況に

陥ってしまっている例が非常に多く見受けられます。


そういう人達は、ブランド品を購入し続けることや

そういう自分をSNSで発信することで

自分の心のバランスを保っているということになります。


持ち物を褒められると嬉しい

「あなたのその持っているペンかわいい」とか

「あなたのその眼鏡、センスいい」とか

マネされるような状況でもない場合は

人は持ち物を褒められるとこそばゆかったり

嬉しくなることが多いです。


これも、持ち物というのは自分の延長上であるので、

まるで自分が褒められているような

気分になるからですね。


たまたま職場で好きな人のデスクを使う機会があった・・・

という事でも、

デスク自体はただのモノであるのに

ドキドキしてしまう気がするのは、

そのモノを通じてその人自身に触れているような

感覚さえあるからです。


自分自身には「拡張自我」というものがある、

ということと周りにもそういう心理があって、

この拡張自我をうまくコントロールできると

「自分が強くなった気がする」といったような精神作用があります。

それをうまく活用していくと良いでしょう。

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