ツァイガルニク効果というものをご存じでしょうか。
ツァイガルニク効果は、端的に言うと
「人は、達成できたことよりも、
達成できていないことをより強く記憶している」
というもので、
この心理効果を利用したマーケティング手法も存在します。
今回は、その心理効果とツァイガルニク効果が及ぼす
ストレスについて解説していきます。
ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果とは、
先ほど述べた通り
中断している作業についてより強い印象や記憶を持つ
という心理現象のことです。
リトアニアの心理学者、精神科医であるブルーマ・ツァイガルニク
(ブリューマ・ゼイガルニク)が
行った実験が原型となっています。
たとえば、テレビなどで衝撃映像を流している途中に
「この続きはCMのあとで!」
なんて言われると、
「はやくCM終わらないかな、早く続きが見たいな~」と
CMの間も視聴者を同じ局に留まらせることができます。
これは、
続きを見ることで完了したくなる
心理が働くからですね。
ネット上でよく見る「続きはwebで!」という
ワードも同様です。
途中まで宣伝文句をつけておいて、
未完のまま終わらせて続きが気になるようにさせる、
ツァイガルニク効果を狙っています。
ちなみに、ブルーマ・ツァイガルニクが行った実験というのは
完成した図形よりも想起されやすい
という、記憶の実験でした。
想起されやすい、というのは思い出しやすいという意味ですね。
ツァイガルニク効果はなぜストレスになりやすい?
このように、
ツァイガルニク効果というのは
マーケティング手法としても確立していますが、
「未完了のままなので、気になる(ストレスになる)」
という心理が働きます。
たとえば、
「北海道に観光に出向いた」人がいたとします。
その人が、次も北海道を再び旅行したい、
と思うには二つの理由が存在し、
・体験できなかったことを、今度こそ体験したいから
に大別されると言われています。
「一度体験したものを、再度体験したい」というのは
あの時食べたおいしい海鮮丼をまた食べたい、とか
北海道のあのお菓子屋さんに行きたい、とかそういうものですが、
「体験できなかったこと」というのは、未完了のものとして
「体験できなくて、悔しい(残念だ)」という気持ちが生まれます。
折角旅行にいったのに、
未完了の物事があるというそれ自体はストレスになるわけです。
また、たとえば有料noteなどで、
半分以上は無料で内容を公開して、
「ここから先は有料です」となるパターン。
途中までnoteの内容を公開するということは、
勿体ないわけではなく実は
「続きが気になる。ここまで読んでしまったし、
購入してしまおうかな」
という心理を促すための手法だったりするわけです。
この「続きが気になる」ということ自体が
ストレスになり、
お金さえ払ってしまえばそのストレスから解放される。
「続きはCMのあとで!」というのは
昔からのお決まりのフレーズとなっていますが、
ツァイガルニク効果を使った
マーケティング手法というのは、
このようにまだまだ溢れているものです。
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