仕事を後回しにする病気とは?

書類の山の画像 心理

やらなくてはならない仕事があって、

その自覚もあるのに

どうしても、その仕事にとりかかることができない・・・。

そういう経験はあるでしょうか。


何をすべきか分かっているのに、

どうしても着手できない。


そうして時間が過ぎ、

締め切りも過ぎているのにそれでも取り掛かることができない。

そうやって仕事を後回しにしてしまって

大失敗した経験がある人もいるでしょう。


着手しなくてはならない仕事・作業ができない

症状というものが存在します。

PCN症候群というものです。


PCN症候群とは

PCN症候群とは、

「先延ばし症候群」とも呼ばれるものです。


うつ病(精神疾患)や、ADHDなどの発達障害により

併発するといわれます。

※個人的な見解としては、うつ病というのは
精神運動制止といって自分の考えのスピードが極端に遅くなったり、
止まったりする現象がありますから、
PCN症候群とはまた別の症状による先延ばしだと思われます。


「やらなければならないこと」なのに

先延ばししてしまいます。

むしろ、「やらなくてはならないこと」だからこそ

後回しにしてしまうともいえるでしょう。


何度もそれで大失敗をしているにも関わらず、

それでも作業に着手できずに

同じ失敗を繰り返してしまうのが特徴です。


ADHDやPCN症候群以外では、

ストレスに弱い人・うつ病以外の精神障害を持っている人や、

完璧主義の傾向にある人も

課題を先送りしやすい傾向にあります。


優先順位が決められない

タスク管理票の画像

「やらなくてはならないこと」というのは、

優先順位として上に来るはずで、

本人はそれも分かっていることが多いです。


ただ、「本来の優先順位」と

「実際に本人の中での優先順位」は違っていて、

「やらなくてはならないこと」は

他のタスクが終了しても上に来ることはなく、

常に下の方に存在します。


嫌なことを回避する癖がついている

嫌なことを回避する癖、というのは

無意識に行われている場合がほとんどです。


たとえば他人から指摘された場合、

「いや、ちゃんと分かってるよ」と

本人も否定することがあるのですが、


「やらなければいけないことはちゃんと分かっている」

という意味でしかなく、

「実際にやるかどうか」という場面に直面すると、

自然とそのストレスから逃避してしまいます。


その事について考えなければ、

ストレスも感じなくて済みますし、

仕事もやらずに済むからです。


PCN症候群でなくても、
ストレス脆弱性があってストレス回避の癖がついている人は、
後回しにしがちな特徴があります。
 


そういう、目の前のストレスがかかることから

心理的に逃げる癖がついていると、

それが当たり前になってしまい、


また今度やろうっと

の繰り返しになります。

そうしていつのまにか期限を過ぎている、なんてことも

珍しくありません。


後回しは、それ自体がストレスを生む

後回しというのは、先述した通り

「やるべき仕事に向き合うストレスを回避する」ために

行うことが多いです。


たとえば「2か月後に、部署内で

プレゼンテーションをしないといけない」

という課題であれば、

資料作成から読み上げの練習まで必要になってくるでしょう。


そしてその資料作成も

・参考の資料を探す
・構成を考える
・PCを立ち上げる
・PCに文字を打ち込む
・デザインを考え、反映させる

等の細かい作業を

一つ一つ積み重ねることが必要です。


一つ一つ積み上げるのも「ストレス」であり、

プレゼンテーション自体も

プレッシャーになる場合、

それを心で「回避する」、「考えない」ことで

それらすべての手間が一時的に省けます。


ところが、

「2か月後にプレゼンテーションをしなくてはならない」という

事実は変わりませんから、

結局それは一時しのぎのストレス回避にしかなりません。

そして、後回しというのは

それ自体が「ストレス」を生みます。


課題を先延ばしにすればするほど、

それが自分の心の枷になって

ストレスがどんどん積み重なっていきます。


それは、課題に向き合うプレッシャーよりも

遥かに重たいものです。


後回しを改善する方法

仕事に向き合うモチベーションというのは、

モチベーションが出るまで待っていても

どうしようもありません。


PCN症候群など、

「自分が先延ばしする癖がある」という人は

それ自体を理解して、

「作業を分解する(チャンクダウンする)」

「まず途中までやってみる」などの工夫が

必要になってきます。


また、具体的に「すぐやる方法」を提案している

書籍も多く存在します。


習慣化コンサルタント・古川武士著の

7つの心のブレ-キを外せばうまくいく「すぐやる」習慣 /朝日新聞出版/古川武士

という著書は、

課題への心理的負荷を下げる方法や

失敗が怖い人への対処法を具体的に記しています。


著明な脳科学者・茂木健一郎氏も

結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方 /学研パブリッシング/茂木健一郎

の中で、

脳科学の観点から

どうすれば自分の脳を“すぐやる脳”に変えることが出来るか?

について言及しています。


後回し癖というのは

「気合」ではどうしようもないことも多いです。


後回し癖という「習慣」の根拠を知ることと、

それらを少しずつ崩して、

より良い習慣に変えていき、

後回しのストレスから解き放たれたい時は

道しるべとして参考にするのがよいでしょう。


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